早朝。
机の上に置かれた透明の液体を見つめながら、 俺は思った。
「これから俺は、自分の腸を“強制的に断捨離”させられるんだな」
下剤を飲むときのあの独特の味。 甘いようで、しょっぱいようで、
“飲んだ瞬間に後悔が来るタイプの飲み物”。
最初の一杯はまだ余裕。 「まあ、こんなもんか」と思う。
しかし二杯目あたりから、 腸がざわ…ざわ…と
カイジの会議室みたいな音 を立て始める。
そして三杯目。 腸が完全にスイッチを入れる。
「はい、今から本気出します」
そこからはもう、 トイレとの往復が マラソン大会の給水ポイント みたいになる。
行って帰って、また行って、 気づけばトイレの床の模様まで覚えてしまう。
途中でふと思う。
「俺、今日だけで何回“腸の自己紹介”してるんだろう」
でも不思議なことに、 終盤になると妙な達成感が出てくる。
腸が軽い。 身体が軽い。 なんなら心まで軽い。
“人は下剤で悟りを開く” そんな朝だった。


