
楽天ペイの画面に迷子になった秋本さんは、 静かにスマホを置き、
事務所の奥へ向かって声を張った。
「まみちゃーん! ちょっと来てー!」
その声は、 まるでRPGで“仲間を呼ぶ”ときの合図みたいだった。
すると奥から、 寝ぐせで髪が逆立ち、 シャツが裏返しになっている可能性が高い、
あのまみちゃんが登場する。
「はいどーぞ!」
この一言で、事務所の空気が一気に“イベントモード”に切り替わる。
◆ 二人の画面覗き込みスタイル
秋本さんとまみちゃんが並んでスマホを覗き込む姿は、
まるで “東京アプリ生活応援事業ダンジョン” を攻略する
勇者とサポートキャラのようだった。
「これ押すの?」
「違う違う!戻って戻って!」
「え〜?どこ〜?」
「はいどーぞ!そこそこ!」
事務所の一角だけ、 まるでゲーム実況のようなテンションになっていく。
前園さんが横を通りかかると、 「またやってる……」と小声でつぶやきながら
そっと視線をそらす。 (※この“そっと視線をそらす文化”、会社あるある)
◆ そして——ついに
何度も画面を行き来し、 押してはいけないボタンを押し、 戻るボタンを探し続け、
まみちゃんの「はいどーぞ!」が10回以上飛び交った頃。
ついに—— 画面に表示された。
「11,000ポイント獲得」
その瞬間、 秋本さんの顔がパァァァッと明るくなった。
その笑顔は、 孫の写真を見たときと同じくらい、 いや、それ以上に輝いていた。
まみちゃんも満足げに 「はいどーぞ!できたじゃん!」と肩を叩く。
事務所の空気が一瞬だけ、 梅雨とは思えないほど明るくなった。

