🥇 火曜日は“資源回収の戦場”だ
火曜日の朝。 美義屋の管理人である私は、いつものようにご近所を掃除していた。
すると—— 会うんですよ、皆勤賞のあの方々が入れ代わり立ち代わりに。
空き缶・段ボールの“早朝の覇者”たち。
抜き取りは問題になっているけれど、 毎週顔を合わせていると、自然と仲良くなる。
挨拶を交わし、今日の出来高や縄張りの話をする。
そして必ず聞くのだ。
「それで、今の相場はいくらで買い取ってもらってるんですか?」
🥈 アルミ相場の乱高下は、FXより激しい
おじさん曰く——
- 安い時:50円/kg
- ホルムズ海峡閉鎖の時:350円/kg
- 今:250円/kg
この乱高下、 USD/JPYより激しい。
そして急に暑くなった今日の積載量を見た瞬間、私は固まった。

自転車に積まれた空き缶の山。 袋はパンパン。 左右に膨れ、後ろに盛り上がり、
もはや “移動式アルミ鉱山”。
ざっと見て 60kg。

別の日に見たおじさんは、 自転車のハンドルに猫を乗せていた。
猫の表情がまた絶妙で、 まるでこう言っているようだった。
「今日の稼ぎ、悪くないニャ」
このネコおじさんは・・
単純計算でも@250円 × 約50kg = 12,500円
📉 計算した瞬間、膝が崩れた
……日給負けた。
管理人の私より、 空き缶のおじさんのほうが稼いでいる。
膝が崩れた。 心も崩れた。 ついでにプライドも崩れた。
お昼には近所の公園で休んでいるおじさんに挨拶をする。

汗をぬぐいながら、 「今日はまあまあだったな」と笑うおじさん。
その姿は、 資源回収界の “勝利の美酒を味わう王者” そのものの姿だった。
「そ・・そ・・それで、今日はどのくらい稼げましたかぁ~?」

おじさんがおもむろに封筒を開けて見せてくれた。
中には、 まさかの 5,000円札交じりのお札がちょっとした厚みだ。
その表情は、 「これが俺の火曜日だ」と言わんばかり。
👁🗨 そして思い出す、角田リーダーの眼光
空き缶50kgの重さ。 アルミ相場の乱高下。 日給で負けた悲しき朝。
そのすべてを思い返したとき、ふと頭に浮かんだのは—— 角田リーダーの眼光。
4度の手術を乗り越えた、近視と遠視のハイブリッド視線。
あの眼光は、空き缶50kgよりも重い。
空き缶は「軽金属」。 角田リーダーは「重圧金属」。
火曜日の資源回収は、私の心と膝に深いダメージを与えた。
でも、角田リーダーの眼光は今日も社員を見守っている。
……空き缶より、遥かに重い視線で。


